神棚の里コラム
2023.8.3

「八朔」-秋の豊作を願う-

稲穂

梅雨も明け、日の照る日が続いています。

暑さは続きますが、夏の青い空は何にも代えがたい清々しさがありますね。

 

さて、夏が過ぎれば、秋がやってきます。

秋と言えば読書の秋、実りの秋など、どこかわくわくするような情景が思い浮かびますね。

紅葉や行事、また過ごしやすい気候から、秋を心待ちにされる方も多いでしょう。

そんな日本の秋には古くから伝わる「八朔(はっさく)」と言うならわしがございます。

「八朔(はっさく)」とは

八朔とは八月朔日(ついたち)の略で、旧暦八月一日のこと。

旧暦の八月一日とは、現代の八月下旬から九月頃となっており、

夏から秋に切り替わると同時に、稲穂も実り始める時期です。

 

日本では昔から、八朔の季節になると、全国各地にて豊作祈願の行事が行われます。

農家ではその年の初めての稲の実りを、田の神さまに供えると同時に、お世話になった人と贈り合うならわしがありました。

これが転じて、主君と家来が贈答品を贈り合い、主従関係を確かめる習慣にもなったそうです。

また、田の実と「頼み」の語呂合わせから、八朔は「田の実節句」とも言われていました。

ふたつの「八朔」

八朔

八朔と言えば果物の「はっさく」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

甘味が強く、香りの良いはっさくは、みかんの一種です。

 

はっさくは1860年頃、広島県因島田熊町のお寺「恵日山浄土寺」の境内で発見されました。

当時の住職だった小江恵徳が「八朔には食べられるだろう」と言ったことから、「はっさく」と名付けられたのだそうです。

 

しかし、実際のはっさくの季節は二月から三月。

八朔の時期ではまだ小さい実のままなのです。

八朔休み

その昔、関西のあたりでは八朔を休日としていたのだそうです。

八朔に限らず、新月と満月の頃にあたる1日と15日は休みという地域が多くあったのだとか。

日本人にとって両日は大切な折り目の日でもあり、それは神社においても同じです。

 

さて、1日と15日と言えば月次祭。

神棚に供えるお榊は、月次祭に合わせて交換するというのが一般的です。

 

神棚の里では、純国産の八丈榊をご用意しております。

瑞々しいハリと艶、活き活きとした葉色の榊を、ぜひ神前にお供えくださいませ。

榊

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