「八朔」-秋の豊作を願う-
梅雨も明け、日の照る日が続いています。
暑さは続きますが、夏の青い空は何にも代えがたい清々しさがありますね。
さて、夏が過ぎれば、秋がやってきます。
秋と言えば読書の秋、実りの秋など、どこかわくわくするような情景が思い浮かびますね。
紅葉や行事、また過ごしやすい気候から、秋を心待ちにされる方も多いでしょう。
そんな日本の秋には古くから伝わる「八朔(はっさく)」と言うならわしがございます。
「八朔(はっさく)」とは
八朔とは八月朔日(ついたち)の略で、旧暦八月一日のこと。
旧暦の八月一日とは、現代の八月下旬から九月頃となっており、
夏から秋に切り替わると同時に、稲穂も実り始める時期です。
日本では昔から、八朔の季節になると、全国各地にて豊作祈願の行事が行われます。
農家ではその年の初めての稲の実りを、田の神さまに供えると同時に、お世話になった人と贈り合うならわしがありました。
これが転じて、主君と家来が贈答品を贈り合い、主従関係を確かめる習慣にもなったそうです。
また、田の実と「頼み」の語呂合わせから、八朔は「田の実節句」とも言われていました。
ふたつの「八朔」
八朔と言えば果物の「はっさく」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
甘味が強く、香りの良いはっさくは、みかんの一種です。
はっさくは1860年頃、広島県因島田熊町のお寺「恵日山浄土寺」の境内で発見されました。
当時の住職だった小江恵徳が「八朔には食べられるだろう」と言ったことから、「はっさく」と名付けられたのだそうです。
しかし、実際のはっさくの季節は二月から三月。
八朔の時期ではまだ小さい実のままなのです。
八朔休み
その昔、関西のあたりでは八朔を休日としていたのだそうです。
八朔に限らず、新月と満月の頃にあたる1日と15日は休みという地域が多くあったのだとか。
日本人にとって両日は大切な折り目の日でもあり、それは神社においても同じです。
さて、1日と15日と言えば月次祭。
神棚に供えるお榊は、月次祭に合わせて交換するというのが一般的です。
神棚の里では、純国産の八丈榊をご用意しております。
瑞々しいハリと艶、活き活きとした葉色の榊を、ぜひ神前にお供えくださいませ。