お盆 -ご先祖のおまつり-

お盆
お盆は亡くなった人やご先祖さまを供養する期間とされています。この世に戻ってくる魂を迎えるための古くからある日本の夏の恒例行事です。
一般的に「お盆」とは、仏教行事である「盂蘭盆会(うらぼんえ)」を指します。
お盆の期間は、8月13日~8月16日、または旧暦7月13日~7月16日とされています。
仏教の「盂蘭盆会(うらぼんえ)」とは?
「餓鬼道(がきどう)に堕ちて苦しむ人々を現世から供養することによって、その苦しみを救う行事」とされています。
しかし、ご先祖さまのお墓やお仏壇の前で「ご先祖さまの苦しみを救いたい」といった思いでお祈りをする人は少ないと思います。
皆さんはお墓の前で手を合わせる際、何を考え、お祈りするのでしょうか。
おそらく、このようなことを思っているのではないでしょうか。
『いつも見守っていてくれてありがとうございます。』
『元気に過ごせています。ありがとうございます。』
神道の「祖先崇拝(そせんすうはい)」
この「感謝の気持ち」でお参りすることこそが、日本古来の考え方、つまり神道的な考えなのです。
神社では先祖を敬い感謝することを「祖先崇拝(そせんすうはい)」と呼びます。
日本最古の歴史書『日本書紀』には、推古14年(606年)に朝廷の行事として「お盆」が行われたとの記載があります。
また、鎌倉時代には文治6年(1190年)に「盂蘭盆会」が行われたとの記述もあります。
日本の「お盆」とは神道の「祖先崇拝」と仏教の「先祖供養」が混ざり合った行事ということが良くわかります。
ご先祖のおまつり
家庭での先祖まつりは、神棚とは別に「祖霊舎(それいしゃ)」で行います。
祖霊舎は、ご先祖さまの霊が鎮まる「御霊代(みたましろ)」を納める所で、御霊代には、一般的に「霊璽(れいじ)」が用いられます。
霊璽とは、仏式の位牌(いはい)に相当します。
霊璽(れいじ)のまつり方
霊璽には蓋がついています。普段は蓋をしたままでおまつりし、命日や祖霊祭(年祭)など特別な日には蓋を外すこともあります。
祖霊祭(年祭)は、亡くなってから1年、3年、5年、10年、以降10年ごとに行うのが一般的です。
普通は50年(地方によって異なります)で「まつりあげ」となり、故人の「御霊(みたま)」は神様として私たちを見守ってくださいます。
年祭の日には、親戚や故人と親しかった人などを呼び、神職様におまつりをしてもらいます。
私たちを見守ってくれている祖霊
ご先祖さまの御霊は、常に私たちの身近で、私たちの幸せを見守ってくれています。
この世に私たちが生をもって日々活動できるのは、私たちを産んでくれた両親、そしてその両親を産んでくれた祖父母、更にはその両親がいらっしゃるからです。
毎年訪れるお盆は、最もご先祖さまと繋がりやすい特別な日です。日々見守ってくれていることへ感謝の気持ちを伝えましょう。
お盆の前に祖霊舎のお掃除や古くなったもののお取替えをし、気持ち良くご先祖さまをお迎えできると良いですね。
祖霊舎のお掃除手順
- 身を清めましょう
- ご挨拶をします(二拝二拍手一拝)
- 神具やお祀りしているものを移動します
- 拭き掃除をします
- 神具を綺麗にします
- 新しいお供え物をします
- ご挨拶をしましょう(二拝二拍手一拝)

神棚の里では、様々な祖霊舎や霊璽などを取扱っております。こちらからご覧ください。